あらすじ
第一次十字軍の奮闘により、聖地イェルサレムに打ち立てられた十字軍国家。だが、イスラム側に次々と現れる有能なリーダーたちによる猛反撃を前に、防衛の側に回ったキリスト教勢力は、苦境に立たされることになった。ヨーロッパから神聖ローマ帝国皇帝とフランス王が参戦した第二次十字軍は古都ダマスカスを攻めるも、なす術なく敗走。孤立した十字軍国家を束ねる若き癩王は、テンプル騎士団と聖ヨハネ騎士団の力を借りながら総力を結集し、ジハードを唱えるイスラムの英雄サラディンとの全面対決を迎えることになった―。
感想
★★★★
前巻のあらすじ感想らはこちら
今巻の第二巻では、
前巻の第一次十字軍ほどエキサイティングな展開とかではなかったですが、イスラムの英雄サラディンとか、癩(らい)を患い余命幾ばくもないのに最後まで王として戦い続け、味方からも敵からも尊敬された癩王ボードワン四世など、興味深いお話がたくさんです。
宗教戦争だからもう勝っても負けても凄惨な結果となることが多いのに、イェルサレム最終戦ではサラディンの男気あふれる武士道的精神がまた心に残ります。
さて次巻は「十字軍物語」の最終刊。花の十字軍と呼ばれる第三次十字軍がメインとなるのでしょう。私はこの結果とかを全然知らないので、中二病心を揺さぶる獅子心王の異名があるリチャード1世とサラディンの対決、非常に楽しみにしています。