あらすじ
「そうだ。京都へ行こう」順位戦が終わり、プロ棋界は春休みに突入した。八一はあいを伴って京都を訪れるが、しかしそれはデートでも慰安旅行でもなかった。『山城桜花戦』―女流六大タイトルの一冠を巡る戦いを見守るため。挑戦者の月夜見坂燎と、タイトル保持者の供御飯万智。「殺してでも奪い取る」「…こなたはずっと、お燎の下なんどす」親友同士の二人が撃突する時―八一とあいは女流棋士の葛藤と切なさを知る。春の京都を舞台に、華よりもなお華やかな戦いが繰り広げられる秘手繚乱の第8巻!
感想
★★★
将棋と幼女の小説「りゅうおうのおしごと!」第八巻。
今巻を一言でいうと…
残念。
残念と言うか、もったいないと言うか、なんでこんなことをしちゃったのという割り切れない思いになる一冊でした。
供御飯万智 vs 月夜見坂燎
この2人の女流タイトル戦がメインで、2人とも好きなキャラだっただけに非常に期待していて、そして実際この勝負はとても良かっただけに、合間に挟まれる短編読み切りはページをムリヤリ増やすという意図しか考えられなくて、それが非常に残念でした。
その短編も書き下ろしではなく既出のもののようで、私は初めて読むからまだマシでしたが、すでに内容を知っている人だったら余計に腹立たしく感じるでしょうね。短編の内容もほとんど中身がない話だったし…。
本編の合間に短編を挟むなんてことをするくらいなら、最初から短編をあつめた番外編として出してほしかった。短編なんかでお茶を濁さず、供御飯万智と月夜見坂燎の話をもっと深く掘り下げてほしかった。
商業的な理由があったのかもしれないですけれど、やっぱりファンとしては残念です。
さて、今巻はちょっと残念な結果ではありましたが、それは「りゅうおうのおしごと! 」が大好きなだけに残念に思ってしまうのであって、次は渾身の本編を期待したいと思います。