灰と幻想のグリムガル level.13 心、ひらけ、新たなる扉 (オーバーラップ文庫)
- 作者: 十文字青,白井鋭利
- 出版社/メーカー: オーバーラップ
- 発売日: 2018/06/22
- メディア: 文庫
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あらすじ
「もっと強くなりたいって、思っててなあ!」
パーティを離れる決意をしたユメを残し、海賊の島を去ったハルヒロたちは、自由都市ヴェーレへ。怪しげな貿易商人ケジマンの隊商を護衛しがてら、未だ遠いオルタナを目指すことに。旅は意外と順調。と思った矢先、数々の伝説に彩られた『レスリーキャンプ』……かもしれない巨大なテントに遭遇する。運命の悪戯か、その中へと足を踏み入れてしまい――!?
「ハルヒロ。……ようこそパラノへ」
雨合羽をまとった謎の人物に誘われ、他界パラノでの摩訶不思議な冒険が始まる!!
感想
★★★
私は本を電子書籍で購入してるので、どうしても読む前にレビューでの評価を事前に知ってしまうわけですが、今巻のグリムガル13巻はAmazonで★2つ評価だったので、相当酷いんだろうなぁと覚悟して読みました。
読み終わってみると、あーなるほどねぇという感じですね~
この巻単体ならそんなに酷くはないんですよ。
ちょっとイラッとするタイプの新キャラが出たり、必要性がよく分からない残虐シーンや、よくわからん異世界が出てきますが、前巻よりかはマシだったと思います。
ですが…
どうも作者が書きたいのと読者が読みたいのとがズレていってしまってる感じなんですよねぇ。
元の街に戻るってだけの「目的」にすでに6巻くらい費やされて、今巻でまた唐突に変な異界に行っちゃって、読者からすると目的が全然達成されずにずっと脇道にそれてるという感じがあるんですよね。でももしかしたら作者さんは、冒険というのは元の街に帰るということすら命懸けで大変で、ドラクエのルーラのように簡単にはいかない、というのを表現したい、のかもしれないですね。
ただまぁそうだとすると、主人公のハルヒロたちは帰ることが出来ずにずっと苦労してますが、読者もそれに付き合わされてずっと苦行を味わうことになっているんですが…
大きな目的がない冒険をずっと楽しく読ませるなんて相当に難しくて至難の業なのですから、そろそろハルヒロたちを街に返して心機一転してもらいたいところですが...どうやら次巻でもまだ帰れそうにないですねハルヒロ…