徒然只野日記

つれづれなるままの日記です

阿呆の血のしからしむるところ。 「有頂天家族」を読む

有頂天家族 (幻冬舎文庫)

有頂天家族 (幻冬舎文庫)

 
あらすじ

「面白きことは良きことなり!」が口癖の矢三郎は、狸の名門・下鴨家の三男。宿敵・夷川家が幅を利かせる京都の街を、一族の誇りをかけて、兄弟たちと駆け廻る。が、家族はみんなへなちょこで、ライバル狸は底意地悪く、矢三郎が慕う天狗は落ちぶれて人間の美女にうつつをぬかす。世紀の大騒動を、ふわふわの愛で包む、傑作・毛玉ファンタジー。

感想

★★★★

これこそ娯楽小説、エンターテインメントといえる楽しさ。

狸・天狗・人間たちが跋扈する現代京都。

最初、この世界観になじむまではちょっと戸惑いました。狸が化けて普通に街を練り歩き、天狗は汚いアパートでお酒を飲んでくだ巻いてるような世界です。でもこの世界に慣れ親しむともう面白い。

 

笑いもありホッコリするところもありますが、基本的にはハチャメチャストーリーなので、物語の意味とか目的とかを気にして読んではだめです。ただただ毛玉を愛しなさい。「面白きことは良きことなり!」

 

欠点はというと、この小説を読んだらもう狸鍋は食べられなくなりますね。食べたことないけど。